祖父の形見「OMEGA Seamaster De Ville」

私の愛用する時計のひとつに「OMEGA Seamaster De Ville (オメガ シーマスター デ・ビル)」があります。
OMEGAと言えばアポロ11号と月面に降り立ったSpeedmasterの他にSeamaster、De Villeというシリーズも存在します。今はSeamasterとDe Villeは個別のシリーズとなっていますが、時代を少しさかのぼって1960年初頭にDe VilleはSeamasterシリーズのラインナップのひとつとして誕生しました。それまでのSeamasterは高い防水性を有するために大きく分厚いケースを採用していました。しかし時代の流れは薄型時計を求めるようになり、その流れにのるためにOMEGAは十分な防水性を維持した新たな薄型ケースを世に送り出しました。それがSeamaster De Villeです。
De Villeとはフランス語で「都会の」といった意味があり、1967年にDe VilleはSeamasterシリーズから独立し現在まで数々の気品あるデザインの時計を生み出し、その名の通りOMEGAを代表するドレスウォッチの地位を築き上げました。

と言った前置きはさておき、これは今のDe Villeシリーズを生み出すきっかけとなった時計のひとつということになります。

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この時計は亡き祖父から生前譲り受けたもので、祖父が若かりし頃にヨーロッパ旅行に行った時に購入したという話を聞いていました。しかしその当時私はまだ中学生くらいだったのでその価値は全くわからずタンスの奥にしまい込まれることに。年を重ねるにつれて時計のこと、OMEGAのことがわかるようになった頃にはこの時計の行方は全くわからなくなっていました。祖父が亡くなった時にこの時計のことを思い出し、実家の中で宝探しをするように探し回ってようやく見つけました。
二十年ちかく時を刻むことなくひっそりと寝ていた時計は、腕にはめてしばらくすると息を吹き返したように動き始めました。さすがに内部の劣化は進んでいたのか、正確な時間を刻むことはできない上に自動でゼンマイを巻き上げることもほとんどできていないようでしたが、半ば諦めていたので本当に驚いたことを覚えています。
OH後は何事もなかったように動くようになりましたが、数年経った現在はリューズの緩みがひどいので使用を控えています。

さすがに40年以上前の時計であるため一目見て古臭さがにじみ出ていますが、大きくラウンドした風防や細かいブレスが逆に今の時計には無いデザインで愛着があります。ただ、ケースサイズが34mmと小さいのでメタルブレスより革ベルトの方がバランスが良いように思えます。今となっては祖父の形見となってしまったこの時計、これから何があっても一生を手放すことはありません。

その前にOHに出して復活してもらわなければ・・・