水難事故を防ぐためにも、子どもには必ずPFD(ライフジャケット)を着用させるべき!

この季節になると必ず耳にするのが、海や川でレジャーを楽しんでいたであろう子どもの水難事故。
ニュースになるのは死亡・行方不明のものが大半と思われ、実際は助かったケースがほとんどだと思います。助かったケースも含めると事故件数は想像をはるかに超えて発生しているのでは?と考えられます。

 

No More 水難事故2019(2019年発表資料)によると、

”2003~2018年の間の場所別の死者・行方不明者数によると、中学生以下の子どもは約6割が河川や湖沼等で亡くなっています。これは海で亡くなった人数の2倍以上です。

引用:公益財団法人河川財団

 

ちなみに同じ資料の中にはこのような記載もあります。

”水難事故件数の約半数は7-8月に集中”
”水難事故の発生件数は午後の時間帯に集中”

 

河川敷にキャンプを楽しんでいたファミリー、朝から子どもたちは川で水遊びを楽しんでいた。親も一緒に遊び子どもたちに注意を払っていたが、お昼ごはんも食べ終わり満腹でまったりした中で状況に慣れてきたこともあり段々と子どもへの注意が薄れていく。
水に慣れて好奇心旺盛な子どもたちはいろんな遊びを始め、知らないうちに流れの速い深みに足を取られてしまう・・・

この統計を見ているだけでこんな光景を想像してしまいましたが、実際に今までの自分の状況を思い返したときにこれに近い形(注意散漫)があったように思えます。自分が子どもの時も、自分の子どもに対しても。

 

 

PFD(ライフジャケット)とは

PFDとはPersonal Floating Device(パーソナルフローティングデバイス)の略で、いわゆるライフジャケットです。

 

子どもに限らず水難死亡事故を防ぐ(と言うより軽減する)ためにPFDは大いに役立つと思います。(PFD着用/未着用で生存率は2倍以上の差が出るという統計もあります)
もちろん、適切なPFDを適切に着用していれば、という条件が付きますが。

 

小型船舶に乗船する際はPFDの着用が義務付けられています。PFDであれば何でも良いのではなく、国土交通省の安全基準に適合したPFDでなければいけません。

ただ、釣りや遊泳にはPFD着用の義務はありませんし、仮に着用する場合でも安全基準などはありませんので言ってしまえば浮けば何でも良いのですが、安全基準や種類を知って適切なPFDを選ぶことが命を守るには大事かと思います。

 

“PFD”と一括りにしていますが、救命胴衣としてのPFDレジャー用のPFDでは全く性質が異なります。使用する環境をよく考慮して選択してください。

 

浮力

浮力とは、水の中で身体を浮き上がらせる方向にかかる圧力のことですが、一般的にPFDに必要な浮力は体重の10%と言われています。
(体重25kgの子どもの場合、2.5kgの浮力が必要)

国土交通省の安全基準だと

  • 体重40kg未満の小児用は浮力5.0kg以上
  • 体重15kg未満の小児用は浮力4.0kg以上

 

と定められています。
他にも色などの基準はありますが、浮力に限って言えば上記の値です。

 

水に浸かっていてもわかる目立つ色にしましょう。

とは言え、子ども用PFDで黒色とか地味な色設定はほとんどなく、蛍光色などの派手目の色が多いので特に気にする必要はありません。

反射材が貼り付けられたものもあります。遊ぶ時間帯を考えると反射材が必ずしも必要とは思えませんが、最悪の状況(夜の海難救助ではサーチライトで照らす)も一応視野に入れておけば反射材はあった方が良いです。

 

クロッチベルト

その名の通りクロッチ(股)を通すベルトです。

これは国土交通省の安全基準にはありませんがが、クロッチベルトは子ども用PFDには必須の装備と言って良いものでしょう。


引用:mont-bell

PFDを着ていても下方向にスポッと身体が抜けて水中に沈んでしまう可能性があるため、それを防ぐのがこのクロッチベルトです。
大人であればそんなことはあり得ないと思いますが、子どもの場合はそんなまさかなことが起こってしまうなんて日常でも多々ありますよね。

 

桜マーク

国土交通省が試験を行い安全基準への適合を確認したPFDには桜マーク(型式承認試験及び検定への合格の印)があります。

そして、桜マークを取得したPFDは使用環境から4つのタイプに分類されます。

A すべての小型船舶
D 陸岸から近い水域のみを航行する旅客船・漁船以外の小型船舶
F 陸岸から近い水域のみを航行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等)でかつ旅客船・漁船以外のもの
G 湾内や湖川のみを航行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等)でかつ旅客船・漁船以外のもの

少しわかりにくいですが、操縦免許の必要な小型船舶・水上バイクには何かしらのPFDが必要と言うことですね。

 

前述の通り、遊泳のためのPFDは上記のような縛りはありませんので、極端言えば見た目で選んでも構わないということになります。
ただし、その際も浮力だけは子どもに合わせて(できれば余裕をもって)選んでください。

 

RACマーク

「NPO法人 川に学ぶ体験活動協議会」が独自の試験方法・基準で認定したPFDに表示されるのがRAC(River Activities Council)マークです。

 

これは川遊びを対象にしたものではありますが、海でも大きな差はありませんのでPFDを選ぶ際にひとつの指標にしても良いかと思います。

 

 

これらを参考にPFDをいくつかピックアップしてみました。

 

 

PFDいろいろ

PFDの形状も、一般的によく知られているチョッキ式以外にも、首掛け式やポーチ式などいろいろな種類が存在します。
膨張式といって、エアバックのように通常は小さく折り畳まれていて水に入ると膨張するものもあります。が、ここでは子ども用なので膨張式は外しました。

 

小学生くらいのキッズ向け(体重40kg未満)

mont-bell フリーダムKid’s (125-155)


引用:mont-bell

我が家でも使用しているモンベルの子ども用PFD。
後頭部側に枕型の浮力体が装着されているので、特に小さい子どもの顔が水面から上に出やすいよう作られています。

桜マーク 無し
タイプ
浮力 5.0kg
枕(浮力体) あり
クロッチベルト あり
価格 6,048円

 

AQA ライフジャケットキッズIII


引用:AQA

スノーケリングのアイテムで有名なAQAのPFD。
RAC認定品で、浮力も国交省安全規格を上回る5.6kgあるので安心感もお得感もある商品ですね。

桜マーク 無し
タイプ
浮力 5.6kg
枕(浮力体) 無し
クロッチベルト あり
価格 4,536円

 

BLUESTORM BSJ-211Y


引用:BLUESTORM

ブルーストーム(高階救命器具株式会社)という会社の作る本格的なPFD。
黄色と赤色の2色で遊び心は少ないものの上のAQAをも上回る6.7kgの浮力は子ども用と言えど可能な限り安全性を追求しているということでしょう。

桜マーク あり
タイプ A
浮力 6.7kg
枕(浮力体) 無し
クロッチベルト あり
価格 オープン
(実勢価格4,800円)

 

小さい幼児向け(体重15kg未満)

mont-bell フリーダムKid’s (85-125)


引用:mont-bell

我が家でも使用しているモンベルの小さい子ども用PFD。
国交省の安全基準で言うと浮力は基準値(4.0kg)を下回っていますが、体重×10%は十分満たせる浮力はあるので問題はありません。

桜マーク 無し
タイプ
浮力 3.0kg
枕(浮力体) あり
クロッチベルト あり
価格 5,724円

 

AQA ライフジャケットインファントDXIII


引用:AQA

かなり可愛らしい見た目で幼児向けに最適。桜マークやRACマークは無くても安全規格は満たせるだけの浮力を持っています。

桜マーク 無し
タイプ
浮力 4.0kg
枕(浮力体) あり
クロッチベルト あり
価格 3,996円

 

BLUESTORM BSJ-211I


引用:BLUESTORM

うつ伏せで落水しても自然に反転するよう設計されている幼児向けのPFD。
先に紹介したBSJ-211YとこのBSJ-211Iの間にBSJ-211Cというラインナップもあり、身体の大きさに一番ピッタリするサイズを選ぶことができます。

桜マーク あり
タイプ A
浮力 6.0kg
枕(浮力体) あり
クロッチベルト あり
価格 オープン
(実勢価格4,800円)

 

 

ブルーストーム BSJ-211Yを購入

我が家には2年前に購入したモンベル/フリーダムKid’s (85-125)がありますが、上の子にはさすがに小さすぎるので今シーズン新調しました。

 

ワンサイズ上のモンベル/フリーダムKid’s(125-155)でも良いかとは思いましたが、小学3年生にもなれば枕の浮力体は無くても良いかなと考えるようになりました。また、上の子は泳ぎが得意ではないので浮力が大きい方が子ども自身も安心だろうと考え、探した中で最も浮力の大きいブルーストーム/BSJ-211Yを選択しました。

 

内側には桜マークと仕様が大きく記載されており、浮力体の厚みなどもさすがAタイプ(すべての小型船舶で使用可)のPFDだけあるなという感じ。

 

 

モンベル(フリーダムKid’s)とブルーストーム(BSJ-211Y)の違い

フリーダムKid’s (85-125)BSJ-211Yを比べるとこんなにサイズが違います!これを去年まで上の子に着させていたと思うとかわいそう(笑

 

上の写真を見ての通り、フリーダムKid’sの方はお腹周りの浮力体が分かれており身体にフィットしやすい構造になっています。(これは85-125サイズですが、125-155サイズも同じ構造です)
BSJ-211Yは前後がそれぞれ1枚もの(前開きなので分割しているが)なので少しごわつく感じはあるかもしれません。

 

あと、動きやすさで言うと肩口の構造も影響がありそうです。

フリーダムKid’sは肩周辺の浮力体は少なく、腕は動かしやすそうですね。

対して、BSJ-211Yは肩上部で浮力体は分割されているものの、上の方まで浮力体があるので少し腕の動きを妨げるかもしれません。

この辺は、製品の性質(救命胴衣か否か)にかかわる部分なので本来比較することではないかもしれません。

 

あと、BSJ-211YタイプAなので反射材とホイッスルは必須装備です。

 

鈍川(愛媛県)で遊んでみた

今治市中心部を流れる蒼社川の上流に鈍川という清流があります。
市内からは10kmほど山間部に入っただけで水は澄んで真夏でも水温は低いので、川遊びには絶好のロケーション。

 

そこに姪っ子と一緒に遊びに行ってきました。

うちの下の子と姪っ子は同じ歳なのでフリーダムKid’s(85-125)がピッタリ!

写真では白濁しているように見えますが、川底の砂が白いのでそう見えるだけで水自体はかなり透き通っています。

上の子もBSJ-211Yがまさかのピッタリ!それどころか来年はもう大人用が必要??

 

本当に水は冷たく、外気温が30度を軽く超えているのに長時間水に入っていると身体が冷え切ってしまいそうでした。

3人で楽しそうに遊んでいましたが、思いがけないことは突然やってきます。

水量も結構あるので人工的な堰で急激に流れが速くなっており、下の子は自らそこに足を踏み入れてしまいあっけなく流されてしまいました。
すぐにPFDを掴んで引き上げたのでもちろん無事でしたが、子どもは大人の予測を超えた行動を取ること、本当に一瞬の隙で事故は起こるということを身を以て知ることができました。

また、PFDを着ていなかったら引き上げるのに手間取っていたはずです。

流されていても上半身は浮いていたのでPFD(その時は枕部分)を掴んで容易に引き上げることができましたが、無かったら身体の一部を掴むしかありません。手足をバタつかせていれば掴み損ねる可能性も高い上、身体が浮いていなければ水を大量に飲んでしまっていたでしょう。

 

上記は、流された一瞬を切り取っただけなので非常に危険な状態に陥ったかにも見えますが、実際はPFD以外にも大人が下流で見守るなど、安全に対しては万全を期していましたのでご安心を。

 

 

まとめ

親は子どもを危険から守る義務があります。
それはどんな状況下であれ果たさなければなりません。

ただ、常に子どもに張り付いて見守るということは実際は難しく、目を一瞬でも離してしまうことはあるかと思います。そんな一瞬に万が一の事故が発生しないよう、子どもと水遊びをする際には必ずPFDを着用させましょう。

PFDは親の責任を軽減するためのアイテムではないことは理解していますが、それでも命を守るための味方になってくれることには間違いありません。

 

「PFDを着せているから安心」という感覚はもってのほか、「PFDを着ていて助かった」という状況すら作らないようしっかりと子どもを見守っていく必要がありますね。