今までの賃貸生活では必要性を全く感じなかったが自己所有の家ができて必要に迫られたもの、それが電動工具です。
- 賃貸住宅では電動工具を使うような家具を組み立てることがない。
- DIYで家具や建具を作るような作業スペースがない。
- 壁や天井を直接施工できない。
これら3ナイの理由でほぼ必要ありませんでした。
実は2回ほど電動工具を使用する機会はありましたが、レンタルで対応しました。もちろんジグソーやマルノコといった粉塵撒き散らし系アイテムではありません(笑
1回は、洗面台を壊してしまい自己負担で洗面台交換する際、ミラーボックスをコンクリート壁に固定しなければなかったので振動ドリルを使用しました。これは特殊なケースで、木造住宅で使用する機会はほとんどないでしょう。
普通に考えて必要となるのはドリルドライバ、もしくはインパクトドライバかと思われます。
ドリルドライバって?インパクトドライバって?
DIYを始める時にまず悩むのは「じゃあ自分には何が必要なんだろう?」ということではないでしょうか?
私も随分と考え、お店に何度も足を運びました。最終的には使い比べさせてもらって決めました。
まずは、両者の違いを把握するところからスタートです。
下の写真を一目見てわかるように、チャックと呼ばれる先端部分が大きく異なります。
ドリルドライバはキーレスチャックと言い、3本の爪でビットを挟んで固定します。インパクトドライバは六角軸タイプを使用しておりワンタッチでビットの着脱が可能です。
ただ、チャックは決定的な差ではありません。
下に簡単な比較表を作ってみました。各項目の数値はメーカーや機種によっても異なるので参考まで。
種類 | ドリルドライバ | インパクトドライバ |
外観 | ||
回転数(rpm) | ~1,700 | ~3,500 |
打撃数(回/min) | なし | ~3,200 |
トルク(N・m) | 25~50 | 110~170 |
速度調整 | Hi/Lo2段階 | なし |
クラッチ | あり | なし |
締結能力 | ~M6 | ~M8 |
- 回転数/速度調整
回転数はあまり気にしなくて良いでしょう。トリガMaxで使うことは殆どないかと思いますので。
ドリルドライバは2段階でMaxスピードを調整できる機種が多いですが、どちらもトリガの引き具合で速度調整はできます。
- 打撃数
ここがインパクトドライバの特徴で、ドライバ共通の回転方向に加えて、インパクトの場合は前(押し付ける)方向への力が掛かります。これによりネジ山をなめてしまうことを防止します。その分、動作音は非常に大きいです。
- トルク/クラッチ
インパクトドライバが圧倒的に大きいトルクを発生することができます。結局のところ、インパクトドライバは「打撃+大トルク」で長いネジをしっかり締結するというのが主な目的となります。
対してドリルドライバはトルクが小さいので、太いネジや長いネジの締結には向いていません。ドリルドライバにはクラッチが備わっているため、ネジの締めすぎを防止することができます。
(クラッチ:一定以上の負荷がかかると空転してビットに力が加わらないようになっている)
- 締結能力
上記の通り、ドリルドライバは大きなネジの締結には向いていません。反対に、小さいネジにはドリルドライバの方が向いています。インパクトドライバでは、打撃が加わる上にクラッチ機能がないためです。
よくネジ締結はインパクトドライバ、穴加工はドリルドライバといった括りで記載されていることがあります。ドリルドライバでも大きなネジが締結できないわけではありませんし、インパクトドライバで穴が開けられないわけではありません。適切な下穴を開けていればドリルドライバで大きなネジでも締結できますし、微細な加工でなければインパクトドライバでも穴は開けられます。
初めての充電式ドライバはどっち?
両者の違いが大まかにわかったとして、ではどちらが自分に向いているんでしょう??
実はこればっかりは、どのようなDIYをしたいかによるので一概にどちらが良いとは言えません。能力の違いがあるため2種類の異なる電動工具があるわけで、お互いにお互いの機能を完全にカバーすることは不可能です。
と言っても、「いろいろなことがやってみたい」という明確な方向性が見えないのは当たり前かと思います。なので、ここでは完全に私個人の考え方を記します。
ドリルドライバをオススメする人
- シェルフやキャビネットなどの組み立て式家具を作りたい(無印良品やホームセンターなど)
- 壁に絵画や小さな飾り棚を取り付けたい
- チェアや収納ボックスなどを自作したい
M4前後の細いネジを使ったものはドリルドライバが使いやすいですね。
インパクトドライバをオススメする人
- 大きいダイニングテーブルを組み立てたい
- TVを壁掛けにしたい
- 壁に大きな絵画やしっかりとした棚を取り付けたい
- ウッドデッキを作りたい
- 外壁に防犯カメラや郵便ポストを取り付けたい
壁内の柱にしっかり固定するような場合はドリルドライバではトルクが足らないかと思いますのでインパクトドライバ一択でしょう。
充電式ドライバを購入しよう
私の場合、まず前項のように用途を考えた結果、TVの壁掛けをまずはやってみたいという結論に至りましたので、インパクトドライバを購入することにしました。
結局私はマキタ(makita)の製品を購入しましたが、リョービ(RYOBI)やパナソニック(Panasonic)、日立(HITACHI)、ボッシュ(BOSCH)、ブラックアンドデッカー(BLACK+DECKER)といった様々なメーカーのものが通販やホームセンターで売られているかと思います。
で、どれがオススメかと言うと・・・
どれでも良いんじゃないでしょうか(笑
どのメーカーも細かな一長一短はあるかと思います。トルクが・・・とか、回転数が・・・とか、そんなことよりDIYレベルであれば実際に持った感じだったり、見た目の好みで選べば良いと思います。実際に私はマキタの製品が一番手にしっくり来たわけでもなく、カラーリングと元々メーカーに持っていた硬派な印象が好きだったというだけなので。
メーカーに関わらず、注意する点は3つです。
1. 電圧
10.8V、12V、14.4V、18Vを主としていくつか種類があります。
電圧=パワーと考えて良いので、数値が大きければそれだけパワーがあるということになります。パワーがあるに越したことはありませんが、それだけモーターも大きくなる=重たくなるので必要以上の電圧は不要です。
厳密な切り分けがあるわけではありませんが、DIYレベルだと10.8V前後、プロとなると14.4Vや18Vを使うことが多いようです。ちなみに同じメーカーの同じ電圧のバッテリは互換性があることが多く、異なる機器でバッテリを共用することができます。
本気でウッドデッキを作るのであれば、14.4V以上の製品をオススメします。
2. バッテリ容量
"Ah"の単位で表記されているあれです。
こちらは、容量=使用時間となります。DIYレベルだと1.5Ah程度が一般的、プロだと5Ahとかそれ以上を使うようです。プロが一日の間に何度も充電するわけにはいかないですもんね。
バッテリ2個付きというのが多いので、DIYであれば確かに1.5Ahでも十分でしょう。
3. バッテリ種類
充電式ドライバに使用する充電電池には、リチウムイオン(Li-ion)電池やニッケルカドミウム(Ni-Cd)電池、ニッケル水素電池がありますが、なるべくリチウムイオンを選択してください。「メモリー効果」という現象が理由なんですが、詳しくは下記を。
ニッケル・カドミウム蓄電池(ニカド電池)やニッケル・水素蓄電池などの二次電池を継ぎ足し充電したことで、放電中に、一時的な電圧降下を起こす現象である。メモリー効果により早期に機器が必要とする電圧を下回ると容量が減少したように見えるため、「見た目上の容量が減る事」 と説明される事もある。
引用:「メモリー効果」
『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)
2016年4月27日 (水) 23:03(UTC)
最近はリチウムイオン電池にシフトしているので良いのですが、オークションなどの中古品や店頭での激安セール品などではニッケル系電池を使用していることもありますので注意してください。
私は、マキタ製品で汎用性の高い14.4Vバッテリを使用したインパクトドライバを選択し、バッテリ容量と重量のバランスから3.0Ahのものにしました。
DIY用途としては若干オーバースペックな気はしますが、所有する歓びも大切なのでこれで良いですね。